Kindleでペーパーバックを作成するとき、判型(本のサイズ)は自由に選ぶことができる。しかし、Amazonがアメリカの企業であるためか、選択肢として表示されるサイズは日本の規定とはずれている。そのため、四六版や新書サイズなど、国内の市販本に合わせた判型にするなら、自分で数字を指定することになる。
以下、Kindleペーパーバックの制作において必須となる判型と余白について、数字を入れて紹介しよう。
Kindleペーパーバックで作れる判型(サイズ)
書籍と一口に言っても、さまざまな判型がある。高さと幅はもちろん、余白(マージン)も違う。
そこで、ここではいくつか代表的な書籍サイズを調べて一覧にしてみた。いずれも手元の本を定規を使って実測したものだ。
種類 | 幅 | 高さ | 天 | 地 | 小口 | ノド |
---|---|---|---|---|---|---|
文庫(講談社) | 10.5 | 15.1 | 1.6 | 1.5 | 1.1 | 1.6 |
新書(新潮社) | 10.7 | 17.2 | 2.4 | 1.9 | 1.0 | 1.8 |
手帳(高橋) | 12.8 | 18.2 | 0.8 | 0.6 | 1.1 | 0.5 |
ノート(KOKUYO)セミB5 | 17.9 | 25.2 | 0.9 | 0.3 | 0.3 | |
単行本(宝島社) | 12.8 | 18.8 | 2.4 | 2.7 | 1.8 | 2.0 |
雑誌(ジャンプ)B5 | 18.2 | 25.7 | ||||
コミックス(集英社) | 10.3 | 17.6 |
天:ページ上部の余白
地:ページ下部の余白
小口:ページ外側の余白
ノド:ページ内側(綴じの方)の余白
無線綴じ(バラバラの紙を背で糊付けするタイプ)は、基本的にノドが広くなっている。
参考までに、あと2つ、よく参照されるサイズをメモしておこう。
A4サイズ:21.0 × 29.7
米国のペーパーバック:15.24 × 22.86(6 × 9 インチ)
高さと横幅の上限と下限
本の高さと横幅、それぞれ下限と上限が設けられている。
高さ:15.24 〜 29.69cm
横幅:10.16 〜 21.59cm
最小だとほぼ文庫本サイズ、最大にするとほぼA4サイズである。
この数字の中なら設定は自由なので、たとえば正方形の本や横長の本も作れる。紙に描いてみた。
最小だと、正方形の本は一辺が文庫本の高さくらいのものが作れる。最大だと一辺が21.59cmのものまでいける。
横長だと、写真のように文芸誌を横にしたくらいのサイズが可能である。横幅は上限が小さく、縦は下限が大きいため、極端に横に長い本というのは作れない。
個人的には、正方形の本はインテリアとしても活躍しそうである。プレゼントとしての利用を見越して、きれいな表紙を用意して作ってみるといいかもしれない。
裁ち落とし
原稿の地がベタ塗り、または全面を図柄で覆いたい場合、余白ができないように裁ち落としという余白を付ける必要がある。これは原稿サイズに関わらず、Kindleペーパーバックでは3.2mmと決まっている。
天・地・小口の部分には、上記のマージンに加えて、それぞれ3.2mmの裁ち落とし=塗り足=Bleedを加えること。
Kindleペーパーバックに必要なマージン
ペーパーバックの作成をするときは、周囲に6.4mmのマージンを取る必要がある。本文やノンブルなど、重要な要素がその範囲からはみ出ると、KDPの画面でエラーが出てしまう。
また、裁ち落とし「あり」の場合は3.2mmの余白がさらに必要となるので、マージンは6.4+3.2で9.6mm必要になる。
なお、ノドの部分は書籍のページ数によってマージンが変わってくる。厚ければ厚いほど本のノドの部分が見づらくなるためだ。
より詳しくは書籍をどうぞ
Kindleペーパーバックの判型や余白、そのほかの規定については書籍にまとめてあります。ぜひご覧ください。紙版(ペーパーバック)でも販売していますし、Kindle Unlimitedで無料で読むこともできます。